医療法人社団翠松会たけだメンタルクリニック

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こどもの心のコラム

「こどもの心の発達外来」担当医師によるコラム。
お子様の状態を理解する為の情報を掲載しています。

注意欠如多動性障害(ADHD)

注意欠如・多動症(ADHD)とはどんな病気でしょう

 ADHDは生まれつきの脳機能の障害から生じる発達障害の一つです。ここで「生まれつき」という言葉を用いたのは、ADHDは遺伝子が関与する遺伝的原因と、胎児の時代(子宮の中で生きる期間)に育ちつつある脳に影響を及ぼした環境的原因(妊娠中のお母さんの習慣的喫煙や頻繁な飲酒など仮説を含め多くの要因が挙げられています)との相互作用の結果だからです。いわば出生直後(周産期)にはすでにADHD特有な脳機能が出来あがっているというわけです。それがADHDに特有な特徴を作り出すのです。

 子どものADHDの主症状は不注意、多動性、衝動性の3症状だといわれています。ADHDの症状としての「不注意」は注意散漫でケアレスミスが多く、物事を順序立て最後まで仕上げることが苦手で、失くし物や忘れ物が多く、約束を忘れてしまうことが多いといった特徴が非常に目立っていることを指しています。同じように、「多動性」は教室で授業中に席を離れて歩き回ったり、いつも体のどこかを動かしていたり、おしゃべりが過ぎたりといった特徴が際立っていることを指し、「衝動性」は思うとすぐに行動に移し、後で困った結果になってから反省するといった行動のパターン(例えば他の子が並んでいる遊具に突進して真っ先にそれを使おうとするとか、授業中に先生の質問に指名されていないのにいきなり答えてしまうといった行動)が目立っていることを指しています。

 ここまで読むと、ADHDは悪いことばかりのように思えてきますね。発達障害の一つであるADHDという病気あるいは障害は、多くの心の病気のように人生の途中で罹(かか)るというものではなく、生まれつき持っている特性です。その特性はADHDではない人でもある程度持っている特徴ばかりで、ADHDの子どもはただその特性の激しさが通常よりずっと目立っているということにすぎません。それにADHDは短所あるいは弱みだけではなく、素晴らしい長所あるいは強みを持っていることを忘れてはいけません。ADHDの子どもは平均よりずっと人間好きで人なつっこく、評価され褒められるともっと褒められようと頑張る傾向がとても強いという特徴を持っています。さらに、ことに臨んで決断が早く、状況に応じてパッと動けるというフットワークの軽さが特徴です。

 ですから、弱みを治療しながら強みを伸ばす、ADHD治療はこの一言に尽きるといっても言い過ぎではないでしょう。

著者プロフィール

齊藤 万比古(さいとう かずひこ)
医学博士 サイコセラピー学会理事長 日本AD/HD学会理事長 前日本児童青年精神医学会理事長。

千葉大学医学部卒業。国立精神・神経センター精神保健研究所児童思春期精神保健部長、精神科部門診療部長、恩賜財団母子愛育会 総合母子保健センター愛育病院小児精神保健科部長を経て愛育研究所児童福祉・精神保健研究部部長、愛育相談所所長。数多くの臨床例に基づき発達障害と不登校について研究を重ねる。

平成30年4月より千葉県松戸市の医療法人社団翠松会松戸東口たけだメンタルクリニックにおいて発達障害・不登校の専門外来「こどもの心の発達外来」を担当。

【著 書】
「知ってほしい 乳幼児から大人までのADHD・ASD・LDライフサイクルに沿った 発達障害支援ガイドブック」「発達障害が引き起こす不登校へのケアとサポート」「ひきこもり・不登校から抜け出す」「注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版」など多数。

「こどもの心の発達外来」のご案内

医療法人翠松会では、松戸東口たけだメンタルクリニックにおいて「こどもの心の発達外来」を開設しています。

「こどもの心の発達外来」は齊藤万比古医師による注意欠如多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害、不登校・ひきこもり、愛着の障害等でお困りの幼少期から児童期、思春期(3歳から17歳)までのお子さんを対象にした専門外来です。

齋藤医師の児童精神科医として長年の臨床経験と研究実績を活かし発達障害、不登校・ひきこもり、愛着の障害などお子さんのお困りの状態を総合的に理解しお子さん自身への診療と我が子の悩みや問題にかかわり続ける親御さんの心の成長をサポートしてまいります。

「こどもの心の発達外来」の特徴・予約方法・予約料など詳しくはこちらをご参照ください。